2013年5月8日水曜日

「カリウム40」と「セシウム134及び137」における、内部被ばくの違いについて

本日は、上記タイトルについてお伝えしたいと思います。



電気事業連合会:原子力・エネルギー図面集(2011)」の「第6章「放射線」6-9体内,
食物中の自然放射性物質」によると、
カリウム40(3,600Bq/60kg),炭素14(2,500Bq/60kg),ルビジウム87(500Bq/60kg),
鉛210(20Bq/60kg),ポロニウム210(20Bq/60kg)
が日本人成人60kg中に含まれている放射性物質です。
つまりカリウム40に限って言えば、60Bq/kgの濃度で存在しているわけです。
「100Bq/kg程度のセシウム134や137を食べたところで影響は証明できない。だから安全だ。」
と、耳にすることがあります。

セシウムを食べた場合、カリウムと間違えて体内に取り込まれます。
よく聞きますね。

ここで、「セシウムを食べたら、体内にあるカリウムと置き換わる」

という前提が成り立つとします。
単純に考えてると、「置き換わるなら60Bq/kgのものなら問題ないんじゃない?」
となります。


少し放射性物質のカリウムについてお話をさせていただきます。

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カリウム(ウィキペディアより抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0

カリウムには24種類の同位体が存在することが知られている。これらの内、自然に産出するものはカリウム39 (93.3%)、カリウム40 (0.0117%)、カリウム41 (6.7%) の3つである。
カリウム40の崩壊
これらのうち、質量数40のカリウム40は放射性同位体である。半減期はおよそ12.5億年である[22]ため、地球創生時にとりこまれたものが未だに自然界に残存している(元をただせば超新星爆発で核反応がおこって生成・放出されたものとされる)。カリウム40の内11.2%は、電子捕獲もしくは陽電子放出(β+崩壊)によってアルゴン40へと崩壊し、88.8%は陰電子崩壊(β 崩壊)によって非放射性の安定同位体であるカルシウム40となる[22]
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体内にあるカリウムは全てが放射性カリウムというわけではなく、
総カリウムのうち、0.0117%が放射性同位体のカリウム40と言われています。

「セシウムを食べたら、体内にあるカリウムと置き換わる」
これが成り立つのであれば、0.0117%しかない放射性物質が、100%の放射性物質に置き換わってしまうのです。

つまり、
セシウムを100Bq食べたら、カリウム100Bqと置き換わるのではなく、
100Bq×0.0117%=0.0117Bqと置き換わるのです。
放射性物質の総量は
セシウム100Bq食べる毎に100-0.0117=99.9883Bqずつ増えていくこととなります。

置き換わるどころか、放射性物質に関しては食べた分だけ増えてしまう!!

そう考えても間違いないと思います。
ただし、生物学的半減期というものもあります。
もし食べてしまっても体外に排出されることも分かっていますので、参考に紹介しておきます。

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日本保健物理学会 Q&A(データ元「放射線医学総合研究所」)にありますが、
「年齢や性別、体内へ取り込んだ放射性物質の量とその取り込み方などにより多少結果が変わりますが、放射線医学総合研究所のWebサイトにある体内残留率・排泄率のモデル予想値によると、体内に取り込んだセシウムの量が半分になるまでの期間は、経口摂取した場合、成人で70日、子供(10歳)で20日程度となります。」
となっています。
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カリウムは必須栄養素のため、仕方のない部分はありますが、セシウムを取り込まないようにして、余計な被曝をしないようにするに越したことはありません。
体内にもともとある放射性物質と比べることは意味がないとまでは言いませんが、ナンセンスだと思います。

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